27章:ﾒﾝｶｲ。2 (18/18)

「ハハハ！おっもしれーな！自分のこと棚に上げて言いたい放題じゃん」


２人の様子を眺めながら、曼珠沙華がゲラゲラ笑っていた。


「…でも、変わったわね、２人とも。
あなた、何か２人に仕組んだの？」


「いんや、特に何も。
人間なんてこんなもんだ、他人の悩みなんてちっぽけなんだよ。」


曼珠沙華は沙羅の肩をポンと叩いた。


「でも、前よりは遥かに前向きだわ」


「いや、ここからだ。
２人の本当の悩みは。」


「？」


曼珠沙華は首を横に振った。


「まだお互い、相手には言わないだろうな。
そう簡単に人間、他人に心は開かない。今日はこんなもんだろ。
まぁ、楽しみにしてるよ。
智哉君、詩織ちゃん。」


曼珠沙華は２人に向かって、


そっと微笑んだ。