22章:ﾔｺｳﾄﾓﾐ。1 (12/14)

「…だって、
あたしの進路についても色々相談のってくれるし、優しいし…
仕事もできるし」


「じゃあ、別に他のやつに相談したっていいべ？岡野だからだろ？」


「……まぁ、確かに……」


「…矢向ちゃん」


イナリは、
ニヤリと笑った。


「岡野のことが好きなんだろ？
岡野の気持ちも、
気づいてやれよ。
あいつだって、
矢向ちゃんのことが大好きなんだぜ？」


「……うそ…」


イナリの思い切った一言に、


矢向は目を丸くした。


「ったくさ〜
お前ら人間見てっと歯がゆいんだよな〜
好きなら好きって言っちゃえばいいのに。
わりぃな、お節介で。
でも、そこが可愛いんだよな」


イナリは笑った。