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10章:〜繋がり〜 (1/11)

10章:〜繋がり〜

その日の仕事は体的にも精神的にも疲れた。

誰かを想いながらする仕事は苦痛だ。

誰かを想っている時に乱暴にされると涙が出る。

アタシはアキナに“帰るメール”を送る。

銀ちゃんに逢いたい

ただそれだけで足取りが速まる。

“着いたメール”を送るとアタシは急いでお風呂に入る。着替えてメイクの最中アキナがピンポンする。

アキナはアタシの準備が出来上がる頃を見計らってやって来る。

メイクを続けるアタシの前でアキナもメイクを始める。

アキナ:今日どこ行く?

アタシ:ブラブラした後やっぱ唄う?何かアタシ的にモヤッと感に覆われてさ…唄いたい気分なんだよね…

アキナ:いいよ〜☆
じゃぁいつものコースね!

アタシ達は夜の街へ繰り出した。

ネオン街に入るとすぐいかにもな風貌の黒服が近付いて来た。

黒服:こんばんわ!
二人でどこ行くの?

アタシ:友達と約束があるからゴメンナサイ!

アキナ:遅刻だよ、早く!

アタシ達は可笑しな茶番劇をしながら速足で通り過ぎる。

笑いが止まらない。

シダックスの通りに入ると黒服が何人か居た。

アキナ:どうする?
唄う?銀ちゃん捜す?

アタシ:ん…銀ちゃんに逢いたい。
でも店には行けない。
銀ちゃんに逢いたいのに誠二にお金落とす意味が分からない。

アキナ:じゃ、とりあえず銀ちゃん捜そ!

アタシ達はシダックスの前を通り過ぎて、この通りの一番奥にある公園を目指す。

アキナはキョロキョロしながら銀ちゃん捜しに徹してる。

アタシは“銀ちゃんに逢いたい”それしか無かった。

時刻は3時前。
平日の夜だというのに人通りは減らない。

前から歩いて来る黒服が居る。

黒服:こんばんわ〜
どこ行くの?
飲みに来ない?
初回500円で飲み放題だよ〜☆

アキナ:でたっ!500円っ!

アタシ:ん〜いいや。
今日はやめとく。

アキナ:また今度☆

黒服:チョットだけ来てよ〜

アタシ達はまた歩き出した

公園まで行き着いてしまった…

アキナ:銀ちゃんらしき人、居なかったね〜

アタシ:接客中って事じゃん?Skyの人間居なかったし…。

アキナ:あ、なるほどね!

アタシ:何か今日はもう帰ろっか…
縁が無かったって事で。
カラオケも今日はやめとく。

アキナ:帰って呑む?

アタシ:あ〜それいいね!
たまには、まったりするかぁ〜!

アタシ達は今来た道を歩き始めた。
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波瀾万丈底辺人生 ©著者:ペリドット

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