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10章:願い (2/5)


「卒業おめでとう」

そう言うと、樹里はにっこり笑ってくれた。

春休み、

あたしは卒業式の前日に高熱で寝込んでしまい、式当日は休んでしまった。

だから、会うのは少し久しぶり。

この人は、もう学校には来ない。

「ね、マック行こ?」

にこにこ笑ってあたしの前を歩く樹里は、前から細かったけど、最近さらに細くなった。

忙しくて、

と笑われると、あたしは何も言えない。

無理しないで、

とか、そんな言葉しか出てこない。

「卒業式、どうだった?」

「えー?別に、普通だよー」

「普通って、」

「歌って名前呼ばれて返事して退場した。あのねぇ、あたし仰げば尊しってはじめて歌ったよ」

ふふ、と思い出したように笑う。

たぶん、楽しかったのだろう。
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CASTER ©著者:樹里

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