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7章:愛 (9/9)


この人を、ここまで動かすものって、なんだろう。

自分を繋ぎ止めておくって、どんな気持ちなんだろう。

どんな顔をしながら、この切り傷を増やすのだろう。

あたしは、目頭が熱くなるのを感じた。

ズッ、と鼻を啜ると、
ふっ、と樹里の笑う気配がする。

「ごめんね、」

一体、何に謝っているんだろう。

顔を見なくても分かる。
きっと、眉を下げて、寂しそうな顔で笑っている。

視界が滲む。

「………どこにも、行かないで、」

ほとんど懇願するような声で、あたしは言った。

声が震えて、それ以上は何も言えそうにないから、黙って俯く。

ぎゅっと握りしめられた冷たい手に、

暖かい涙が頬を伝って、
すぐに冷えた。
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CASTER ©著者:樹里

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