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7章:愛
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「もう冬だね、寒い。」
「…もっと厚着したほうがいいよ」
あたしの言葉に、樹里は素直に頷いた。
「うん、あ、飛行機雲」
ね、と空を指差して笑う。
敬語は使わないで、
名前で呼んで、
皆瀬樹里と過ごす時間が長くなった。
秋の終わり。
冬の始まり。
この人は、あたしの何が気に入ったのか、しょっちゅうあたしのクラスに顔を出して、楽しそうに笑って、
一緒にお昼食べよう、
一緒に帰ろう、
次の時間サボろう、
散歩に行こう、
にこにこ笑いながら、あたしの腕にその細い腕を絡める。
クラスメイトは驚いていた。
『皆瀬先輩だよ、』
『なんで?』
ガヤガヤと、だけどコッソリと、そんな言葉が囁かれる。
友達は離れていった。
なぜか、
「坂本さんも、体にお絵描きしてるんじゃないの?」
廊下で知らない人とすれ違うとき、そんなことを言われた。
ニヤニヤと、意地の悪そうな笑みを浮かべて、あたしを見ている。
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