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5章:枷 (7/7)


ちらりと横を見ると、先輩はタバコに火をつけるところだった。

「…吸うんですか?」

少しびっくりして聞くと、「うん、内緒ね」
と笑い、小さな手がライターの火を守るように覆って、

ふんわり、

甘い香りが舞う。

あたしはただ、その横顔を眺めていた。

小さく吐き出された煙が、空に上がっていく。

似合わないタバコをくわえながら、先輩はまたぼんやりと空を眺め始めた。

帰ってしまおうかと思ったけど、その場から動くことができない。

「なんか、甘いにおいがする…、」

ちらりとこちらに目を向けた先輩はふっと笑い、

「キャスター」

と、多分、タバコの銘柄を口にした。


キャスターの甘い香りに、また、心臓がぎゅっと締め付けられた。

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CASTER ©著者:樹里

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