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5章:枷 (2/7)


蝉の鳴き声で夏の到来を知り、気が付けば夏も本番と言われるころ、

あたしは季節の変わり目をぼんやりと見過ごし、だけど、毎年過ぎていく夏とは違う。


「…こんにちは」

夕方の公園は、昼間よりも少しだけ寂しい。

あたしが挨拶をすると、ベンチに座っていたその人はにっこり笑い、

「こんにちは」

と、よく通る声で挨拶を返してくれた。

仔猫を埋めた公園に、その人は頻繁に姿を現すようになった。

そしてあたしも、ベンチでぼんやり空を見上げるその人を見かけるたび、何故か足が公園へと向かってしまう。

夏だというのに真っ白いワイシャツは長袖。
短いスカートからは、日焼けを知らない真っ白な脚が除く。

「もう学校終わったの?」

「終わりましたよ、…今日もサボったんですか?」

「行こうと思ったんだよー、ちゃんと制服も着て、用意して家出て、」

「じゃあ来れば良かったのに、」

「ここ来てぼーっとしてたら行きたくなくなったんだもん。」

言い訳をする子供みたいに、ぷいと顔を背ける仕草も、この人がやるとすごく可愛く見えるのはどうしてだろう。

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CASTER ©著者:樹里

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