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2章:ブラックライト
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いかにもって感じの人工照明。
青白い光に照らされた体。
ブラックライトって、どうして体が汚く見えるんだろう。
客に言わせれば「エロイ雰囲気」を作り出す照明を、あたしはどうしても好きになれない。
「樹里ちゃん、あと時間どのくらいかなぁ?」
隣でおとなしく横になっていた客がむくりと起き上がって、あたしの機嫌を窺うような声を出す。
そんな声出さなくたって、抜いてほしいならいくらでも抜くのに。
どこか冷めきった頭のあたしは、それでもきょとん、とした顔をしてみせる。
「んー、たぶん20分ないくらいかなぁ?」
「じゃあ…」
「もう1回抜けるね?」
言葉を遮り、にっこりと笑う。
目の前の男から、おねだりの言葉なんて聞きたくなかった。
だらしなく頬を緩める客を、ぼんやりとした視界のなか、見つめる。
この仕事をしてから、コンタクトをやめた。
あたしの世界はひどく不鮮明なものとなった。
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