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10章:夢魔
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10章:夢魔
『あんたも人間なんだ。つまんない。』
幸恵はがっかりして
足を組んだ。
俺の頭は読まれていないようだったが、高岡刑事は全てを悟ったように優しい目で俺を見ていた。
『君が本庄恵子を殺していないのは、何も言わずとも分かる。犯人はこの女だな。』
幸恵は微笑んだ。
俺はゆっくりと顔を上げて
天井を見つめた。
その天井にはどうしてだか
ミズキさんが見えた。
目鼻立ちもくっきりして
気品があったミズキさん。
お金を沢山持っていたのは株をしているからと言っていたが、ただ単に何人もの金持ちの愛人をしていたのは誰もが知っていた。
ハイクラスの人間が欲しがる程、彼女は魅力のある美しい女だった。
俺は無意識に幸恵に問いかけた。
『幸恵さん。夢魔って知ってるか?』
幸恵は嬉しそうに答えた。
『それどこの殺人鬼?』
ニタニタして期待に満ちた幸恵の顔を滅茶苦茶に傷つけてやりたいと思うも、ミズキさんに制裁を下してくれてありがとうと異常な気持ちで眺めた。
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不気味なお客様 ©著者:灰 ライカ
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