ノリ「トオルさんそれどういう事っすか？」
寝ていると思ってたノリが起きていた。

俺「どうもこうもないそういう事だよ。」

ノリ「それじゃあ文が…」

彩「落ち着きなよノリ。
文にトオルは無理だしトオルはこの街を離れられないよ。」

ノリ「でも文の気持ちを考えたら…」

俺「じゃあ自分はどうでもいいのか？」

彩「実はさ…
昨日の夜中に文が来たんだよ。
あの子はトオルの気持ちもノリの気持ちも気づいてるよ。
事件が終わって杉山さんが逝ってもうあんた達との接点は自分しかないんだ。
でも自分に自信を持てない子だしトオルの態度はそんなんだしね。
悩んでたよ。」

俺「文は歌舞伎に居たら、俺と居たらダメだ。
ノリ知ってる？
あいつの夢って暖かい家庭なんだってさ。
田舎で小さな店…喫茶店でもなんでもいいからして家族仲良く暮らす事なんだってよ。
その為にこの街で体売って心削って働いて…。
俺が暖かい家庭なんて築けるわけないじゃん…
だから文の事はお前に託す。」

ノリ「そこまで言うならわかりました…。」

俺「ああ…頼むよ。
最後の願いだ。」