大浴場に行くと客は俺の他に７〜８人ほどいた。
湯船に浸かりながらいろいろ考えようと思ったが疲れているのか頭が回んない。
杉山家の事、それとは別に真希子の事、文やノリの件もある。
とりあえず今は思考を停止して風呂を楽しもう。大浴場から他の風呂も巡り１時間ほどで部屋に戻ろうとすると携帯が鳴った。

「もしもーし♪トオルさんですか？」
真からだ。
真希子と一緒じゃなくて良かった。

「ん、どした？」

「一緒に行く予定の友達にドタされて映画のチケット２枚あるんですけど、明日って時間ないですか？」

「んー悪い。明日は無理だな。
つーかお前彼氏と行けばいいじゃん？」

「彼氏とは昨日の夜に別れました…。」

「昨日の夜ってカラオケの後に？何でまた？」

「あの後帰って電話で話したんですけどなんかアイツ頼りになんないなぁって思って私から別れようって。っていうか別れました。」

「ふーんそっか。彼氏の代わりってのも嫌だしまた今度誘ってよ。」

「そんなんじゃないです!?私はただトオルさんだから…。
わかりました…。
希でも誘ってみます。」

「冗談だって(笑)また電話ちょうだい。」

「はい。わかりました♪
失礼しま〜す。」


電話を切り部屋に戻る。