『いやぁ兄貴にやられてよ。まぁ気にすんなよ。』

『怖ーよ。気になるし。実の兄弟でこの縦関係おかしくねぇか？悔しくないのかよ。』

『兄貴も昔からこんなじゃないんだ。俺がいるのは兄貴のお陰だからよ。だからまだ感謝の方がデカいんだわ。』

広田の殴られた理由は、櫂の売り上げと広田のグループの売り上げの差。

広田のとこは六店舗もあるのにほぼ同額。

稼いでないわけじゃないが、許せないらしい。

それでも広田は櫂を恨むわけじゃなく、優しく接してくる。

『広田さ、さっき兄貴のお陰とか言ってたけど。俺には冷血な部分しか知らないから、話し聞かせてよ。』

広田は少し照れたが、櫂に話してくれた。

『うちの家庭よ、親父が暴力すごかったんだ。俺も兄貴も母ちゃんも毎日殴られてた時期もあった････。』