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12章:靴の中の小石 (1/12)

12章:靴の中の小石

翌朝、岸田に送られて自分の部屋に戻ったマドカは、出掛けた時のまま灰皿に残る岸田のタバコの吸殻を見て、ここ数日に起こった事や岸田から言われた事を思い出していた…



ソファに座ると、佐織からのコールを無視して放り投げた電話がクッションの間に挟まったまま…を見ると笑えた



『たった3日しか経っていないなんて嘘のようだわ…』



帰り際に岸田から



「チケットが取れたら、一緒にマザーリーフを探しに行こう」と言われて、返事はしたけれど…



『何処に行くのか、聞くのを忘れちゃったわ…観葉植物は暖かい所の植物なんだから、沖縄かな?』



どこでもいい、一緒にいられるのは嬉しい



バッテリーが上がった電話をスタンドに戻すと、留守番電話のアイコンが目に入った



今までのマドカなら再生して全てを聞いたのだが、今は聞きたくない…



気持ちよく過ごして来たのに、今ここでメッセージを聞いてしまえば戻りたくない現実に戻ることになる



岸田のことは好きだし、愛を感じる瞬間もある…佐織に聞かれれば、そうはっきり答えることはできる



ただ、自分達の出会いがアダルトチャットのパーティだったことが、不真面目な男と女の出会いとして一笑されるのが嫌だ



あの場所で岸田と出会ったのだから仕方がないと、頭ではわかっている



けれど、岸田を思えば思うほど…自由な女を気取って参加した自分の愚かさが…自分を蔑む気持ちが膨らんで胸が苦しくなるのだ



心の隅にじくじくと治りきらない傷を抱えているような感じ



この気持ちは佐織に知られたくない…だとしたら、現実に戻ることはないのではないか…



靴の中の小石は捨ててしまえばすっきりする、おまけにどの石だったのかわからない…



マドカは全てのメッセージを破棄した



『そうだわ、あれも!あれも!』



マドカは携帯電話にあるブルーのアドレスを着信拒否に設定すると、次にパソコンを立ち上げて「お気に入り」からアダルトチャットのURLを削除した




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アレグロ ©著者:椎名

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