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10章:誕生会
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10章:誕生会
電話から聞こえて来る沙織の声は、どこか堅く私を責めている感じがする
「私もブルーも何度もメールを送ったけど返事がないじゃない…、だからブルーは私に連絡をしてきたの、何かあったの?」
『岸田の事を話したい…でも今はまだダメ…話さないほうがいい…』
「ううん、何もないわ。仕事で帰りの遅い日が続いたから…」
「最近はチャットにも来ないからね…最新情報が入ってないでしょ?」
「最新情報?」
「そう、最新情報!毎年私の誕生日は女ばかりが集まるでしょ?その事を話したら…今年は華やかにチャットの仲間も参加する事になったの!で、マドカとブルーが幹事に決まったのよ」
「ええっ?私が?」
「そうよ、友達の女チームとチャットチームの両方を知ってるのはマドカだけだもん」
「あぁ、うん…そうなの?」
「大丈夫よ、ブルーが手伝うから。だから会いたがっているのよ、いいでしょ?」
『いいも何も、勝手に決めるなんて、イヤだわ!ブルーには会いたくない…断らないと…』
「ブルー…男性もいるのに、幹事なんて私には無理じゃない?」
「じゃ、誕生日の私がする訳?まさかね。そうそう、女チームにはもう話してあるから…皆、大喜びよ」
「うぅ…、そうね。じゃあ連絡してみるわ…」
沙織は私に薦めたアダルトチャットでパールの名前で参加していて、奔放でセクシーな会話が一際目立つ存在になっている…きっと誕生会の話が盛り上がったのだろう
私もチャットに参加したばかりの頃は、毎日パソコンを開けるのが楽しくてセクシーな会話に刺激されて、まるで別世界にいた…私は積極的なイブになりすまし、ブルーとデートをしてセックスまでした。
2人は恋人のように…違う、私だけが恋人気分でいた
山荘のパーティでブルーと2人で過ごした後…セックスの後…パールとブルーから3人で楽しもうと言われたことがショックで、私はあの場から逃げだした…
他の女性とは寝ないと私はバカみたいに思い込んでいたのだ
そのブルーと話さなくてはならない…
電話をかけて声を聞くのはイヤだ、今日はまだ…
さっきまでの岸田との関係が汚されてしまうような気がする
仕方なく私はパソコンを立ち上げてまず、未読のメールを読むことにした
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