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6章:マイケル
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6章:マイケル
私は運転するマイケルの横顔をぼんやり見ていた。
「もう、夜が明ける」
「………」
「寒そうだな」
「…ええ…はい」
「朝日に暖めてもらおう」
『いけない…私ったら思考が止まったままなのか、混乱しているのか…親切にしてもらっているのに…』
マイケルは道路の脇の開けた場所に車を停めた。
「見てごらん」
「…朝なのね、日が昇ってきたわ」
「ああ、今日が始まるんだ」
私はガラス越しに入る日の光に顔を向けて、暖かさを感じていた。
「暖かい…」
マイケルが頬に触れてきた
「本当だ、暖かい」
「ありがとう、助けだしてくれて」
「どういたしまして、イブがあのままパール達と一緒に行ったら僕は1人で帰っていたんだから、君と朝日が見られて嬉しいよ」
『どうして?他の人と楽しむのじゃないの?…私では物足らなかったはずでしょ?…』
「そろそろ、行こうか?」
「うん」
朝の光を浴びて、暖かくなった車内は心地よかった。
ハンドルを握るマイケルをチラチラと見ながら
『長くて綺麗な指だわ…』
私は…少しまえにあの指が私にしたことを思いだし、落ち着かない気分になっていることを悟られないように外の景色に見とれているフリをした。
いつしか…私は眠ってしまった。
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