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60章: 【瞳の住人】
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60章: 【瞳の住人】
<AM10:30 富山某ホテル>
俺と梓は感情をぶつけ合いむさぼるようにキスをした。
そのままベッドに押し倒す……
梓の指にはピンキーリングが光っていた。
「アズね、ずっとトオルに逢いたかったんだよ…」
梓は裸のまま俺の左腕に頭を乗せている。
「うん…知ってる。
俺も逢いたかったから。」
「うん、知ってる♪」
「バーカ…でも逢いに来るわけにはいかなかった。
やっぱり…ね。」
なんか上手く言葉に出来ない。
鼓動が高鳴る。
「お願いがあるんだけどいいかな?」
「内容によるよ。」
「その左耳にいつもしてるCROSSのピアスが欲しい…」
「ずっとしてるけどシルバーの安物だぞ。
こんなんで良かったらやるよ。」
俺はピアスを外して梓に渡した。
梓は嬉しそうにそのピアスをすぐに左耳につけた。
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