飯を食い終わると梓が口を開いた。

「ねえ…トオルの中に残ってるアズとの一番の思い出って何？」

「真面目に答えるの？」

「うん。」

「色々あっけどやっぱ、お前の泣き顔かな。
梓ほど泣く女も珍しいよ。」

「人を珍獣みたいに言わないでよね。
良い意味でも悪い意味でも泣かしてんのはトオルでしょ。」

「悪い意味では泣かしてないと思うけど？」

「うん、そーだよね。
こうやって、荷物を整理すると気持ちも落ち着いてね、やっぱ考えるとアズが全部悪いんだよね…
トオルはいつもどんな時でも、何があってもそばに居てくれたよね。」

「別にお前が全部って事はないだろうけど…」