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13章: 【Escape】
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《17:30》
「もしもし、助けて…」
梓からの電話だった。
「どうした?」
「家出ようとしたら田中がマンションの前に居て2時間ぐらい待ってるんだけど帰らないの…
もう暗くなるし怖い…」
半泣きだ。
「すぐに行くから待ってろ!!」
「ごめん…
仕事大丈夫?ごめんなさい…」
「大丈夫じゃねえけど大丈夫。
謝んなくていいから、俺が梓守んなくてどうする?
お前は俺が守る。」
電話を切り仕事場の人間に言ってタクシーに飛び乗る。
「梓!?今タクシーに乗ったから20分くらいで着くと思う。出かける準備出来てる?」
「うん…まだ。」
「まあいいや。
じゃあ待ってて着くときまた電話する。」
「そこのマンションの前で。
直ぐ戻って来るんで待っててもらえますか?
戻って来たら歌舞伎町方面でお願いします。」
梓に電話をかけながら運転手に告げタクシーを降りる。
玄関を入る時マンションの裏の方をうろうろしてるチンピラ風の男が見えた。
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