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9章: 【名もなき詩】 (2/2)


抱き締め5分くらい(もっと長かったような、短かったような、よく覚えてない)小さな震えた声で「ごめんなさい」と口を開いた。

「うん、びっくりしたよ。」

「前に付き合ってた人、田中なんだけど…
凄いやきもちを妬く人で一回このリングが見つかった時に殴られたんだ…
多分そのトラウマだと思う。
今、自分であんま覚えてない…ごめんなさい。」

「別に謝んなくていいけどさ…」

「トオル…もっと強くギュッてして。」
何も言わずに強く優しく抱き締めた。

「あのね…このリングはアズが17才〜19才の間に付き合ってた人に貰ったんだ…
アズはねその頃が一番幸せだったんだ…
誤解しないで聞いてほしいんだけど、その人が忘れられないって訳じゃなくて…」
その後…親が離婚した事。(理由はちょっと複雑で書くと1万文字くらいになるから端折る。)
母親に仕送りをしてる事。金の為に東京に出てきた事などを話した。

「別に理由はどうあれ今は忘れられないでも、リングを外せないでもいんじゃね。」
梓は「えっ!?」っていう顔をした。

「時間が経つと悪い思い出って消えてって、いい思い出ばっか残ってくじゃん。
だから無理して忘れる必要も無いし、忘れろったって出来ないだろ?
それにみんな思い出っていって写真やプリクラ持ってんのが、お前の場合はリングって事だろ?」

「それでいいの…?」

「はぁ?いいも悪いも無理なもんは無理だろ?
そんなん理屈や道理じゃねえし、まして俺が外せったって隠し持ってるだろ?
お前が外したい時に外しゃあいいんじゃね?」

「ありがとう…」
そう言った梓の頬を静かに涙がつたった。

「あと一つあるんだけど…」

「まだ何かあんの…」

「アズのね、体は汚れてるんだ。汚いんだ…」

「何が?別にんな事なかったよ。」

「アズ、東京に来て最初の頃仕事がなくてどうせ一回汚れた体だからって援交とかしてた頃もあるんだ。」

「ちょっ待って。一回汚れた体ってっのはどういう事?」

「うん…ちょっと待ってね。ビールまだある?」

「いや…とっくにないけど。」

「早く言ってよ。持ってくるね。」
そう言ってキッチンへ向かった。
早く言っても何もんな空気じゃなかったのだが…
おかげで喉がカラカラだ。

「はい…」
梓は俺にビールを渡し自分も一口飲んで、大きく一息つくと話だした。
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