ホスト,キャバ,風俗等のちょっと大人の無料ケータイ小説!PC,スマホ、ガラケー全対応!

12章:決断 (2/10)

「もしもし」

『…はい』

一言で寝起きだとわかる声。
寝てたのかよ、この状況で。

家に帰って薫を寝かせて、小一時間した頃。
俺は愛香に電話をかけた。

「花です」

『あぁ、うん』

受話器の向こう側が、もそもそと騒がしい。

「薫のコトで、今晩お時間ありますか?」

『ん〜、今日ちょっとダメね』

あくび混じりに断られた。

「え…じゃ明日は」

『忙しいから、
日時はこっちから連絡するわ』

一方的に電話は切られた。
あれだけ誘拐だなんだとわめいておいて、今度は忙しいから来れないと言う。

何なんだ?
何なんだよ。
お前にとって薫は何なんだよ?
大事なんじゃないのか?
大切な大切な子供なんじゃないのかよ?

プーップーップーッ。

俺は終話音の響く携帯電話を、静かに閉じた。

そうして一週間。
愛香から連絡はなかった。
一週間も何の連絡ないので、痺れを切らした俺は、また自分から愛香に電話した。

「もしもし」

『…はい』

また寝起きの声だ。

「花です」

『うん』

「薫のコトですけど」

『あぁ…じゃ今日お店行くわ』

「え?あの、店じゃなく、もっと
落ち着いて話せるところが
イイと思うんですけど・」

プーップーップーッ。

通話は、また一方的に切られた。
94 /230

※この小説を友だちに教える⇒メール

いいね LINEで送る

薫と花 ©著者:柚木

夜のケータイ小説サイト「ホスラブ小説」
PC,スマホ、ガラケーで全ての機能が利用できます!

Copyright © hostlove.com All Rights Reserved.