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1章:花
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手を引いて、少女を抱き上げた。
軽っ。
子供ってこんな軽いもん?
独身で親戚にチビッコがいない俺にはわからないけど、明らかに軽すぎに思える。
少女は本当にガリガリで、全身骨と皮しかないみたいだった。
抱きかかえると骨が刺さる。
歩きながら、薄く頭に積もっていた雪を、軽く払ってやった。
現れた髪の毛に、俺はまたもや驚いた。
肩くらいまでの長さのボサボサの髪は、様々な色で染まっていたから。
黒、茶、金、赤…
それはオシャレなアッシュじゃなく、まさに“まだら”だった。
そして俺が更に驚いたもの。
それは。
「お前…なにそれ?」
少女の首には、細い首輪がついていた。
白く細い首に、赤い首輪。
今まで髪の毛に隠れていて、気づかなかった。
「え、なに、そーゆう趣味?」
俺はキョドってしまった。
なんか、そういうプレイの最中だったのだろうか?
もしかして俺、邪魔しちゃった?
少女は控えめに、また小さな唇を開く。
「…おかあさん、が…」
それは、“捨て猫ごっこ”だと言う。
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薫と花 ©著者:柚木
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