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1章:花
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「あっ、あぁん、イイ!ん…ぅっ」
女が俺の上で、めちゃくちゃに腰を振っている。
見上げると、目の前で二つの乳房がぼろんぼろん揺れていた。
「あっ、イく!イくイくイくぅ!」
「ほな俺もイくわァ」
上で乱れまくる女に、俺はのんびりと答えた。
ビクンッと痙攣して、絶頂に達した女は脱力して俺の上に覆い被さってくる。
直後、俺も何かが弾けるような感覚と共に、熱い奔流を女の体内に放った。
「あっ…薫の、いっぱい…っ」
中出しされたというのに、女は恍惚の表情を浮かべて俺を見つめた。
「ほんまやらしいやっちゃなァ、ハル」
汗でべったりと額に張りついた前髪を、掬ってやる。
「だぁって薫とするのは、人一倍
気持ちイイんだも〜んっ」
抱きついて、甘えるように俺の胸板に頬ずりするハル。
まだ19のくせに、彼女の月収はそこらのサラリーマンの年収に匹敵する。
只今、旬。
売り出し真っ只中の人気キャバ嬢だ。
「薫ぅ、一緒にシャワー浴びよぉ」
一糸纏わぬ姿で俺を呼ぶ。
俺はさっさと服を着ると。
「スマンなァ、ハル。
俺、ちょっと用事あんねん」
両手を合わせて謝った。
ハルが口を尖らせる。
「また違う女のトコに行くのぉ!?」
「あほォ、お前だけやっちゅうねん」
抱き寄せて、額にキスをした。
口を尖らせていたハルの頬が緩む。
「もう…薫ったら。はい、これ」
手渡されたのは諭吉の束。
「おおきに。ほな、すぐメールするわ」
ちゅっちゅ、と唇に触れるだけの短いキスを二回して、俺は部屋を出た。
俺は手塚薫。
17歳。
値段は一回、十万円。
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薫と花 ©著者:柚木
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