ホスト,キャバ,風俗等のちょっと大人の無料ケータイ小説!PC,スマホ、ガラケー全対応!

15章:Good bye (2/8)

「リョウ、つまんない!!」

ホールに甲高い声が響いた。
鼓膜をぶん殴られたかのような衝撃だった。
俺は苦笑いを浮かべながら、酒の減ったグラスに、水割りを作り足す。
甲高い怒号の主は、胸の前で両手を組んで、そっぽ向いている。

彼女はユリナ。
ちぃと同じキャバクラで働いている、現役キャバ嬢だ。
いつだか、ちぃとデートで行ったマンガ喫茶で顔見知りになり、以降何度か指名で飲みにきてくれている。

そんな彼女が今、ヘソを曲げている理由。
それは。

「ユリナさん。一応、店内なので…」

「店内じゃなくたって、リョウは
指一本触れてこないじゃん!!」

俺が色営じゃないから。

色営とは、“色恋営業”の略で、お客さんに色仕掛けで接客する営業方法のコトだ。
恋人にするように接したりして『この人、私に気がある』と勘違いさせて、逆にオトす接客方法だ。
束の間の恋愛ゲームみたいなもの。

対して俺は全てのお客さんに、いわゆる“友営”だった。

友営とは、友達営業の略。
これは文字通り、友達のように接する営業方法だ。

ユリナは、それが気に食わない様子だ。

「前の担当は皆、手ぇ繋いでくれたり
ちゅーしてくれたりしたもん!
ユウガも、リュウセイも、クオンもっ」

そうは言われても…
俺はそのホスト達を知らないし、知っていたとしても自分の接客スタイルを変える気はない。

「俺は、俺なんで「いい加減にしなっ」

俺の言葉は、別の甲高い怒号に遮られた。
振り向くと目の前には、怒りに震えるアリスが立っていた。
135 /158

※この小説を友だちに教える⇒メール

いいね LINEで送る

無題 -side涼介 ©著者:柚木

夜のケータイ小説サイト「ホスラブ小説」
PC,スマホ、ガラケーで全ての機能が利用できます!

Copyright © hostlove.com All Rights Reserved.