ホスト,キャバ,風俗等のちょっと大人の無料ケータイ小説!PC,スマホ、ガラケー全対応!

14章:Ace vs … (12/13)

俺は無言でハンカチを差し出した。
自分でも『キザかな』と思ったが、これは他ならぬエリカが教えてくれたコトだった。

「ハンカチくらいは持っておきなさい。
必ず何かで使うのだから」

いつか、彼女に言われた言葉だ。
そして何十枚というブランドハンカチを買い与えてくれた。
お陰で俺は、男のくせに出かけるときは尻ポケットにハンカチを入れるのが、公私関係なくクセになってしまった。

エリカも何も言わずに、ただハンカチを受け取った。

俺は許す気はなかった。
そもそも怒ってなどいなかったから。
確かにエリカは、ちぃを傷つけたかもしれない。
でも俺は俺で、客を見捨てるような最低の行いをした。

本来ならエリカはちぃに謝るべきなのかもしれない。
だが事はもう済んだのに、また今更ちぃにわざわざ時間を割かせる必要はないと思った。
エリカは俺の客だ。
責任は俺が取ればイイ。

「エリカさん、顔を上げて下さい」

彼女は黙って顔を上げた。

「俺達、初めからやり直しませんか?」

「…え?」

お互い、もう偽るのはやめにしよう。
そして最初から、客とホストとして…
初めから割り切って、また始めよう。

それはエリカには酷なコトかと思った。

いや、でもきっと大丈夫。
だって彼女が恋していたのは“姫井リョウ”だ。
それは偽りの虚像。
エリカが恋い焦がれていたNo.2ホストのリョウなど、本当はどこにもいない。

だから今度は“羽田涼介”と。
俺と、一から関係を築いていかないか。
132 /158

※この小説を友だちに教える⇒メール

いいね LINEで送る

無題 -side涼介 ©著者:柚木

夜のケータイ小説サイト「ホスラブ小説」
PC,スマホ、ガラケーで全ての機能が利用できます!

Copyright © hostlove.com All Rights Reserved.