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9章:Crime and punishment (2/13)

給料日明けの週末。

今日は昼職のミサキと同伴して、ラーメン屋巡りした。
三軒も回ったから腹パンパンだ。
しかも最後の豚骨ラーメンが、かな〜りくどかった。
今日俺あんま飲んだら死ぬな、これ。

そんなコトを考えながら、今日も指名のカブった卓を移動していた。

するとミサキの卓からエリカの卓へ移動しようとしたとき、ぐいっと腕を掴まれた。
強い力に若干イラッとしながら振り返ると、血の気が引いたような顔したアラシがいた。

「どうしたんですか?」

「…が」

「え?」

店の爆音BGMで、よく聞き取れない。

「なんですか?」

俺は大声を張り上げながら、もう一度尋ねた。
すると返ってきた言葉は。

「レイちゃんの彼氏が…きた」

「!」

俺は既に、走り出していた。

内勤やホスト達が尋常じゃない俺の様子に気づき、制止しようとするが、それをかわし、くぐり抜けて外へ出た。
夏の生ぬるい空気が、俺の肌にまとわりついてくる。
後ろからアラシが追ってきた。

「ミナミから電話きてっ…
仕事終わって店でたら、ビルの
一階で待ち伏せしてたんだって…っ」

必死に状況を説明してくれる。
ちぃが連れ去られそうになり、とっさに庇ったミナミだが、男に吹っ飛ばされてしまったらしい。
一瞬意識を失って、すぐに意識を取り戻し、アラシに連絡したのだという。

俺達はネオン街を疾走した。
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無題 -side涼介 ©著者:柚木

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