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8章:モ・ト・カ・レ
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「いや〜まじであんなとこで会えるなんて思わなかったわ!」
「‥てか、働き始めたときに言ったと思うけど。」
「‥‥‥‥‥忘れた。」
奏は笑ってごまかした。
なんにも変わらないね、奏は。
あの頃はショックで毎日泣いていたけど、
あたしは、いきなり目の前から消えた奏を怒るって気持ちはなかった。
ただ、隣で笑う奏を昔と重ね合わせていた。
「もう着くよー!」
店に着くと駐車場に車を停めた。
「ここって‥」
「よく来たよね。」
着いた場所は付き合い始めから別れるまでよく来ていたお好み焼き屋さんだった。
「懐かしいー。あー、なんか忘れてたなぁー。」
「俺はこっち帰ってきてから何回か来た。なんも変わってないよね、このボロさ(笑)」
安くて美味しくて思い出がいっぱい詰まったお店にあたし達は入っていった。
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