3章:a Revelious age　　　１６歳 冬 12月28日〜 (5/55)

ガラガラガラ〜ッ
玄関を開けると同時に叫ぶ。

銀『ただいま帰りました〜っばぁちゃん柿ノ木はーっ』


台所にいた祖母が銀の声に気付いて玄関へ出迎える。

婆『おかえりなさい、やっと帰ってきたね。アラッなんかたくましくなったねぇ。銀ちゃんが元気な姿で帰ってきてくれてばぁちゃんは嬉しいよ』

ヒサビサに見たばぁちゃんの姿、ヒサビサに貰う肉親からの温もり。

盆と正月以外は帰宅出来ないハードな剣道生活の銀はハートの奥のソフトな部分がじわっときて泣っちょびった。

銀（いかん、なんか目から汁が出そうだ。ババアは生理がアガッているとはいえど一応ギリで女だ。今泣いたら心配かけちまう）

銀『まぁね、毎日すげぇ鍛えてっから…オレも…バァちゃんが…元気で…嬉しいよ』

下を向いてこう言うのがいっぱいいっぱいだった。

寮に入ってから独りでため込んでいた苦労や苦悩は涙となり溢れ出しそうだった。


婆『ホラ、おじいちゃんに挨拶しておいで』

銀『うん』

銀は中学を卒業した時のままの自分の部屋に戻り荷物をベットに放ると祖父の部屋へ向かった。