3章:a Revelious age　　　１６歳 冬 12月28日〜 (3/55)

銀『いいじゃん、ハラ減ったけんバス賃が梅おかかになって一文無しったい、それにオヤジは夜しか帰って来ねーよ』


凌『ったくホントその場のノリで生きてるよなお前。しゃーねぇ、乗れよ』

銀『イェーイ、サンキュー』

凌は原チャに銀を乗せてアクセルを回す。

ブモーッ！

凌『ラッキーだな銀、ホントは女しか乗せねぇんだぜ』

銀『ッチャラーいつーか高校入ってからすぐ暴れまくってんだろ？オレの高校までお前の名前が届いてるよ』

凌『あぁ、入ってすぐ一年・二年の目立ってる奴は手当たり次第にノシた。最近じゃバクチと２人で熊本南部に遠征してるよ、お陰様で全然トモダチ出来ねぇ。はっはっは』

バクチ―スロットと女とケンカを愛するすぐ切れてアブねー幼なじみ。
現在は弁当中での覚せい剤取締り法違反により塀の中で反省したふり中(笑)

銀『はっはっは、墓穴掘ってんな』

凌『な。つーかヒマだったら遊びに来いよ』

銀『あぁ』

家の近くにある神社付近で原付は止まる、ここから先は一本道。

万が一銀のオヤジに見つかった時の事を考えて家までは送らない。
それは凌自身だけでなく銀の立場も考慮しての判断。

凌が他の奴らと一線を画くモノの１つがこの徹底した危機管理能力。

凌はリカバリー出来ない類のヘタは絶対に打たない。

凌『ここまで送りゃ充分だろ』

銀『うん、ありがとー』

銀は凌と別れると懐かしい実家へとつづく緩い上り坂をゆっくりと噛み締めるように歩いた。