『眠らない街』『不夜城』


この街のことをそう呼ぶ人たちがいる。

よく聞くフレーズだけど確かに人の流れとネオンが途切れる夜はない。


この街は誰でも受け入れてくれる懐の深さと、弱いとすぐに飲み込まれてしまう冷たさが同居している。


数年前まで私はこの街が大嫌いだった。


それなのに、気がつくと今日も私は新宿駅東口からの人の流れに乗って歌舞伎町に足を踏み入れてしまうんだ。


終電に急ぐサラリーマンや若者たちを横目にしながら。