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16章:卒業
自分で決めた最後のデートの日を迎え、彼を待つ。
車に乗り込みお茶を手渡す。
「ありがとうな。久しぶりだな。」
手を握られ、まずご挨拶。
「変なメール送ってごめんなさい。」
「いや。あんまりズルズルいく関係でもないって俺も思ってた。会えば楽しくて抱きたくて、けじめつけられなかった。だらしないのは俺だ。」
「お茶飲んでさよならじゃさみしい。ゆっくり話したい。」
この期に及んで、私も何言ってるんだろうね。
「俺も、藤野さんとゆっくりしたい。」
あと一枚だけ、無人島からの往復切符をください。
手を重ねるうち、ホテルに着く。
コーヒーをいれて、座る。
「私、相川さんのこと本当に好きになった。抱いてもらって嬉しかった。でも、どこまでいっても誰も幸せにしない関係っていうの、気付かないふりができなくなっちゃった。」
最初は、バレなければたまのお楽しみだって気持ちが大きくてスリルも快楽の隠し味だった。
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