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6章:日常
一夜明けて、昨日までと変わらぬ朝を迎える。
こちら側から向こう側に渡ってしまったのは私だけ。
地球はそんなことに構ってない。
その日、夫は午後から出社で、二人で朝寝坊をしてパンとコーヒーのブランチをとる。
「昨日、何時に帰ってたんだ?」
「4時くらいかな。」
「俺、寝てただろ。」
「うん。ぐっすり寝てた。」
私は年に数回、3時、4時に帰ることがある。
友人達とみんなで会える機会はそうそうないから会えば楽しくて、23時過ぎに二次会を締めて、なんとなくもう一軒行ってもいい雰囲気が3、4人にあるとそこからはしごして、帰宅は3時、4時になる。
夫は行ってらっしゃいと笑顔。
今までは、帰宅深夜に及んでも、もちろんやましいことは何もないから普通にしていた。
普通を装うのって、ナチュラルメイクと同じくらいの難易度だね。
何も感じている様子はない夫に安心しつつ気合いを入れたナチュラルメイクばりに日常を過ごす。
うだうだと過ごすうちに夫の出社時刻。
「行ってらっしゃい。」
夫に手を振り、一人の世界で私も日常に溶けこもうとした。
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