5章:えりなの過去 (9/10)

ハヤトがマンションに戻ると、私は少しだけ安心した。




えりなの元へむかい、話を聞いた。



レンから連絡があり、すぐに戻ってこいと言われハヤトの家を飛び出したらしい。



なんだかんだ、えりなはレンを愛しているのだ、そう思わざるを得なかった。



何かが歪んでいて、そして大幅にずれていて、世間では間違っていると言われようとも二人の歪んだ愛の形は恐ろしいまでに形成されていた。



答えがない気がしていた。



えりなは膿を出しきるかのように、話を続ける。


えりなは過去にも同じような恋愛をしてきている。



真っ直ぐで素直過ぎるえりなは、DVに合うことが多い。




体質、で済ませばそれまでだが、それではあまりにも残酷過ぎる。




えりなは16でヘルスにスカウトされ、18になる頃にはAVへと、スカウトされている。


家族の話はしたがらないので一切わからない。



わかるのはえりなのママは自殺した、それだけをポソっと言い放った。



私も初めて聞くようなことも多々あった。



えりなが話したいなら話せばいいと思った。



ハヤトもただただ聞き続けた。