自分が好きな人に好きって思われるのが、こんなに嬉しい事だと思わなかった。

労働組合では幹部に位置する多田は、会社の通常業務と組合業務に追われ多忙だった為に実際二人で会える回数は極端に少ないけど、互いのメールのやり取りの回数は増えた。
嬉しかった。

それまで仕事の邪魔したら悪いんじゃないか？って気持ちにくわえ、照れ臭いのと恥ずかしいのがあって月に一度くらいしかやり取りしなかったのが平日は毎日２、３往復するようになったから。

内容は他愛ないものだった。

今日のランチは〜とか仕事疲れたビール飲みたい〜とか（笑）
多田のそれまで知らなかった部分のピースが少しずつ埋められていく。


多田への気持ちが急加速していった。