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1章:母のおもらし (1/6)

1章:母のおもらし

家族は四人。

お父さん お母さん お姉ちゃん そしてあたし。

お父さんは長距離の運転手してた。だから帰って来るのはたまに。家の居間には菅原ブン太の「トラック野郎」 のでかいパネルが飾ってあった(笑)
若い時はやくざやってたらしいけど 自分が想像していた義理人情の世界ではなかったから足洗ったんだって。
たまに帰ってきちゃ お母さんと喧嘩して ボコボコにしてた。 だから恐いし嫌いだった。

お母さんは近くのスナックで働いてた。まだ3歳のあたしと7歳のお姉ちゃんを残して。
寂しくなってお姉ちゃんの目を盗み お母さんの店まで 裸足で走った。今だにあの時のアスファルトの冷たい感覚を覚えてる。
店のドアを開ける「カランカラン」

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純子 ©著者:ななゆな

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