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8章:〜孤独〜 (7/7)

圭吾が百合を連れて病室へ入った。


「真也!百合ちゃん、何も言わねーんだ。
一体何があったんだよ?」


「…圭吾、百合と二人にしてくれるか?」


「…分かった」


圭吾は病室を出て、扉を閉めた。


「…あなた…一体…?」


急に口調が穏やかになった真也を見て、
戸惑いを隠せない百合。


「お前の彼氏、そっちに残るってさ」


「…え?…真也っ!?戻ってきたの!?」


俺を抱きしめて、また泣き出す彼女。


「あんたもきっと聞こえるハズだ。
そいつ、胸に当てて話し掛けてみ?」


言われるがままに、俺を胸に押し当てる。


…真也…


…百合、ごめんな…


…!…聞こえるよ…真也ぁっ…


…俺さ、あいつに体、あげたんだ…


…どうしてっ!?


…俺なんかよりずっと辛かったんだよ…
いつも俺の中から外の世界を見て、
何も出来ない自分の人生を怨んで…。


…真也は……それでいいの…?


…百合がずっと俺を傍に置いてくれるなら…


…もちろんだよ…真也…大好きっ…!…


「…俺は退院したら、お前の代わりに
人としての人生を楽しませてもらう。
そのかわり、大事な人はお前に返す。
…本当にこれでいいんだな?」


ストラップは、ハッキリと頷いた。
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大好きな君の傍で ©著者:陽

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