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8章:〜孤独〜 (5/7)

病室の名札が見えない。


致命的な問題点に気付いた俺は、
結局全ての病室を覗く事を決意した。


…あの廊下の壁に書いてある感じだと…


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…しんどいな〜…


とにかく探さない事には見つからない。


左の道を選び、慎重に歩みを進めた。


すると…急に奥から二番目の扉が開き、
見覚えのある女の子が飛び出してきた。


…百合!?


彼女は俺に気付く事無く通り過ぎた。


涙を流す彼女は、エレベーターに乗る。


…追い掛けるべきなのか…?


…今からエレベーターは間に合わない…


…こんな時に体があれば…!


「百合ちゃん!どーしたんだ!?」


彼女の肩を掴み、引き止める男。


…圭吾…


「…うぅっ…」


「とりあえず、落ち着け」


圭吾に宥められ、エレベーターを出る。


彼には俺の姿の事は伝えていない。


泣きじゃくる彼女の涙も止められず、
ただただ廊下の隅で見ているだけの俺。


…圭吾に任せるしか…ないよな…


俺は百合が飛び出した部屋に向かった。
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大好きな君の傍で ©著者:陽

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