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5章:〜再会〜
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百合が何かを持って戻ってきた。
「はい、先輩専用の鉛筆!」
先に磁石が付いたプラスチックのペンと、
磁石を近付けると中の砂鉄が浮き上がって
お絵かきが出来るボード…子供の玩具だ。
「あたしに伝えたい言葉がある時は
ここに書いて伝えて下さいっ!」
その二点セットを床に置き、俺をその横へ。
…伝えたい言葉、か…とりあえず…
両手でペンを持ち、ボードの上を歩く。
「ありがとう」
彼女の向きに合わせて文字を書いた。
「エヘ…どういたしまして」
彼女はとても嬉しそうだ。
「先輩、お腹空いたりしないんですか?」
一度文字を消して、書く。
「すかない」
「ヘェ〜…なんか便利ですね〜!」
…皮肉に聞こえるんだけど…
「あ、じゃあ…今まで聞きたかった事、
色々聞いちゃってもいいですか?」
彼女に向き直り、頷いた。
「やったぁ!じゃあ〜…好きなタイプ!」
…骸骨の好みを聞いてどーすんだよ…
そう思いながらも、ペンを持つ。
「やさしくて かわいいこ」
「そーなんですか!?なんか意外〜!」
彼女はニヤニヤしながらそう言った。
文字を消してペンを持つ。
「なんで いがいなの?」
「えー?なんか…知的な女の子がいいとか
答えると思ったんですよ…何となく」
…どんなイメージだよ…
「…今日は質問終わりにしときまーす!
逆に、先輩が聞きたい事とかありますか?」
…聞きたい事っつーか、言いたい事だな…
「そのふく よく にあってるよ」
彼女の顔はみるみる紅く染まっていった。
「…えぇ〜っ?ホントですかぁ〜?
嬉し〜ですっ!褒めてもらっちゃった〜」
顔を手で覆ってキャーキャー言っている。
…ストラップ相手に何照れてんの…
「…じゃああたし、お風呂行ってきますね」
骸骨の右手に軽く触れてニコッと笑う。
「他の人にバレたら大変ですよね…
とりあえず、枕の影に隠れてて下さい」
入口から見えない様に枕の横に俺を置いた。
「それじゃ…すぐ戻りますね!」
彼女は部屋から出ていった。
…これ…まさか、しばらく一緒の部屋で
暮らすとかいうんじゃねーだろーな…
嬉しさ3割、面目ない気持ち6割、
なんか残念な気持ち1割の骸骨だった。
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大好きな君の傍で ©著者:陽
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