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4章:〜偽り〜
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4章:〜偽り〜
携帯の画面が急に真っ暗になった。
…違う…俺の…視界が…真っ暗…
ストラップの人形は、その場に倒れた。
…携帯の充電も、残りわずかなのに…
……………
…意識を無くしてからどれだけ時が過ぎた?
辺りを見回して見ても、景色は一緒だ。
病室の扉が開き、移動式ベッドが一台、
俺が置かれているベッドの横に来た。
「…これは…この患者さんの携帯?」
一人の看護士がこちらを見て呟いた。
そして俺の携帯を、枕元の机に置く。
…うっ…!…携帯の下敷きに…
その看護士の置き方が奇跡的だった。
ストラップが真下になる位置関係で
携帯を机の上に置いたのだ。
…お、重い…だけど…今動いたら…
携帯の下からベッドの方を必死に見る。
………お、俺…なのか?…
骸骨ストラップの目に映ったのは…
頭を包帯でグルグル巻きにされた男の顔。
毎朝洗面台の鏡で見ているその顔。
事故に遭ったのが嘘かと思えるくらい、
傷一つ付いていないのだ。
ただ…頭の包帯は隙間なく巻かれていて…
恐らく、髪は全て剃り落とされている。
俺の体を病室のベッドに移した医者は、
看護士と何やら話しているようだ。
「2週間、面会謝絶にしておいてくれ。
彼の場合、後は生命力に賭けるしかない」
「分かりました、芦田先生」
…芦田…担当医か?
「ご両親には、私から話しておく」
「…ですが、もし、このまま意識が
戻らなかった場合のトラブルも…」
「分かっている。…彼を救う為には、
絶対安静、それだけなんだ」
「…しかし…こういう症状の患者には
親しい人物の声などが効果的なのでは…?」
「…君だけに私が治療した患者の一人の
不可思議な現象について…教えよう…」
俺は重みに耐えて耳を澄ませた。
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