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2章:〜憑依〜 (4/5)

父は、外で待たせていた母と共に
病室から離れていった。


骸骨の俺は、とにかく体を動かした。


これはリハビリに近いのかも知れない。


足に感覚が通い始め、ようやく立てた。


…携帯がデカ過ぎて動くのは無理か…


ひとまず携帯に寄り掛かりながら考える。


こんな姿でも何か出来ないものか。


…俺が運ばれて来たらたたき起こす!


…あ、どーなんだろー…自分殴るって…


突然、携帯が凄まじい音を出した。


…うわっ!ビビった〜…


…ん?携帯開かれてるって事は…


…メールとか読めるかも知れない!


すかさず携帯の上に乗ってボタンを踏む。


…しかし、ストラップはかなり軽かった。


真ん中の決定ボタンがなかなか押せない。


…ちくしょーっ!…これならどうだっ!


俺は飛び上がってボタンを踏み付けた。


受信メールBOX


…もういっちょ!


…タイトル…無題


…おりゃっ!


「真也先輩まだ大変なんですか
あたしずっと待ってるんで……
メールできたら早く返事下さい…


…百合…これは3つ目のメールだ…


「返事無いんで心配です
もしかして大怪我したんですか


…これは2つ目…


「事故に遭ったって本当ですか
近所で噂を聞きました


…これを受信したのは10分前…


…百合にまで心配させちまってる…


…さっきの話だと、面会謝絶だし…


…いや、それならメールを返せば…


俺は骸骨ストラップ姿のままで、
百合にだけメールを打つ事に決めた。
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大好きな君の傍で ©著者:陽

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