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2章:〜憑依〜
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…とにかく今は落ち着かねーとな…
とは言え、首しか動かせないのでは
あわてふためく事すら出来ない。
試しに手足を動かそうとしてみる。
………少しなら、動きそうだな…
不意に病室の扉が開いた。
「…彼の部屋です。個室なので外部との
接触は全て断る事も出来ます」
「…あの子は治るんですよね…?」
「…正直…難しいでしょう。事故の時に
頭部を強打し、脳に損傷が見られます。
今のところ、彼は夢を見ている様な状態で
必死に生きようと頑張っています。
…俗に言うところの昏睡状態ですね…」
「そ…そんな…真也は就職も決まって
3月には高校も卒業するんです!
先生…お願いですから…真也を…」
「もちろん、全力は尽くします。では…」
医者らしき人物が病室から出て行った。
病室に残ったのは父と…ストラップの俺。
「真也…うぅぅっ……」
初めて目にした父の涙。
…俺は死ぬ訳にはいかない…
…親父やお袋の為にも。
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