3章:嘘の世界 (4/6)

私とは逆にタクミはというと余裕の無い生活を送っているようだった


病気で入院している父親の代わりにまだ幼い弟二人と暮らしていると聞いた


タクミは父親の入院費と弟二人を養う為にホストになったが
多額の売掛を飛ばれ毎月給料からいくらか引かれ実際に入る給料はわずかだと言っていた


それも全て嘘だと疑う事は無かった
まだこの頃は信じきっていた


私が彼女だから隠さず話してくれたんだと変な優越感さえ感じていた