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4章:世界は鳴り響く耳鳴りのようだ
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4章:世界は鳴り響く耳鳴りのようだ
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおいいいいいい!!!!!!
僕は弾けた。
それは22時30分に届いたメールだ。
『題名:
ユッコだよ!
本文:
K山くんこんばんはー。
いきなりメールしてごめーんユッコだよ!
わかりますか?
紹介する女の子の話でメールしたんだけど起きてるかなあ?』
何たることだろうか。
僕がメールを確認したのは23時30分のことであり、
一時間も放置していたことになる。
熱唱していた俺のアホ。
嬉しいとかそういう気持ちよりまず、
何故だ、
と思った。
僕はユッコちゃんと直接連絡先を交換した訳じゃないし、
何か用があるなら村田を通して連絡をしてくれたらいいはずだ。
メールが来るのは、
紹介する女の子から直接か、
もしくは村田のはずだった。
完全に予想外の出来事に、
僕は混乱した。
煙草をくゆらせながら貧乏揺すりをしてみたが、
全く意味がわからなかった。
そうこうしているうちに時間は更に十五分経過し、
結局僕は
『返信遅れてごめん。起きてるよ!』
とだけメールした。
どうでもいい時には気の利いた文章がいくらでも思い付くくせに、
肝心な時に限ってこうだ。
嫌になる。
返信を待つのにこんなに胸が弾んだのはいつぶりだろう、
そんなことを考えながら熊のように部屋内をうろついていると、
また携帯電話が鳴った。
ユッコちゃんの用は、
ただの確認だった。
こうこう、こんな女の子だけど、君は大丈夫か、
それだけだった。
しかし、僕の胸はますます弾んだ。
こうして電波に乗せて文字を交換するだけの単純作業が、
この上ない幸せに思えたのである。
僕は数回メールをやり取りするうちにいつもの自分を取り戻し、
気の利いた言葉を入れたりジョークを入れながら精一杯のメールを送った。
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ロックと鼻くそ ©著者:K山K太
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