1章:あれから。 (2/3)

せわしない毎日を過ごしていた。




携帯をチェックする回数が減ったこと。


待ち受け画面が、内蔵のものになったこと。


手帳の日記に空欄が増えたこと。




そんな現実に、気づかないように必死だった。



もう大丈夫。
あたしは大丈夫。


君が隣にいなくても、毎日ちゃんと生きていけてるし。

君と過ごす時間がなくなっても、何かしらすることはあるし。

君のこと思い出す時間だって、ちょっとずつだけど減ってきた。

携帯が鳴るたびに、期待することだって減ってきた。

あの街には、あれから一度も行ってないよ。



…もう大丈夫。
あたしは大丈夫。