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9章:新店舗開店 (5/9)


新店舗開店まで1週間を切ろうとしていた


「川田さん、さっき社長から電話があってそろそろ女の子達の意見を聞くように言われたんだけど早番の子達にも聞いといてくれるかな」

「そやな 聞いとくわ」

「そしたら俺は遅番の子達に聞いておくからさ」


帰り際


「ついに来たか! 村上君、明日はサムやで! サム!」


サム? 何のことだろう


「確定やな! ほな! 勝負してくるわ」


海物語シリーズにおいてサムの登場はプレミア、即ち確定、“絶対当たる”のだ


明日サムが出るってなんだ?


僕は疑問に思ったが、そう気にも留めないで帰宅した


   ◆


僕が[T]で働こうと思ったのはお金を多く稼ぎたかったから きっとこの部分は全てではないにしろ佐山さんにもあったと思う 川田さんも社長にその部分を強調されてると思う


お金を稼ぐということは平坦な道ではない


ましてや、その額が大きければ大きいほど相応のリスクもついてくる


《勝負とは気を抜いた瞬間に決まる》


川田さんは[T]での勝ちを確信していたのだろう


だが佐山さんは死んでいなかった


無様な姿を晒してでも得るものがあるならば、迷いはない


その執念の大きさ


《新店舗開店》


それは僕が店長になるということだと、予想など出来るはずもなかった


そしてそれが川田さんの首を切るということになろうとも―
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僕が風俗店のオーナーになるまでの日々 ©著者:cvbrkk

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