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9章:新店舗開店 (3/9)

女の子個人の意見を重視して分けるらしい

もしも僕が女の子だったとしたらどうするだろう 名の通っている[T]に残るか それとも本当に新規オープンの真新しい店に行くか 案外安定性を重視して[T]に残るって言うかもなあ


妄想していた


「時間やな 村上君、帰ろうか」


佐山さんの言葉で我に返った

井下君が去った[T]は早番が僕と川田さんで、遅番が佐山さん一人でしていた と、いっても川田さんが店にいる時間は限りなくないに等しいのだが

川田さんは、相変わらず勤務時間の大半をパチンコ屋で過ごし、一喜一憂を僕に電話してきては、時間ギリギリに戻ってきて、またパチンコ屋へ行くという毎日を送っていた


「村上君! 俺、こんな楽して給料貰ってええんやろかぁ!」


今にして思えば凄いセリフである

人間とは現金な部分が多いと思う 僕は僕で川田さんがいなくても特に困ることはなかったし、女の子達もそれにしかり、時々差し入れられるケンタッキーやピザで誰も川田さんを悪く言う人はいなかった

川田さんは、馬鹿正直で不器用な僕とは正反対で、本当に《世渡り上手》だったのである


「村上君、聞いたやろ 女の子の意見を重視するいうてたな」

「はい」

「あいつ終わったで!」


え?


「佐山店長もここまでやな!」


僕には意味がわからなかった 何が終わるのか


「村上君! 明日新海のイベントに朝イチ並ぶで、店に来れへんわ! またうまいこというといて! ほな」


女の子のを意見を聞かずに社長の独断だったなら、その場面は訪れなかったんだろう


《結果が全て》


それは決して‘数字’だけではない―
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僕が風俗店のオーナーになるまでの日々 ©著者:cvbrkk

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