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4章:新しいスタッフ (2/8)


 紛失したかに思われたお金はワイシャツから出てきた 現金は全てズボンのポケットにしまっていたつもりだったのが、知らないうちにワイシャツの方に入れてしまっていたのだろう

何はともあれ安心した

次の日、店についてから社長に電話をし、佐山さんにも一応謝罪した 筋道だけは通さなければいけない気がしたから。

すると佐山さんの口から意外な言葉が発せられた


「俺は村上君をかってるんだからね」


は??

僕のことをかってるだって? あれほど僕がてんてこ舞いだったときにまったく手伝わず、怒鳴り散らしていただけなのに

それともあれはわざととでも言うのか

次の日、[T]に来るか試していたのか

一瞬考え込んだがやめた 別にそんなことはどうでもいい

高い給料さえ貰えたらいいのだ

この日から僕は常に現金を売上げと照らし合わせながらするようにした

昨日は最後にまとめてやった結果、失敗した

同じ失敗を繰り返すわけにはいかない

最後の計算作業も問題なく終わり、怒鳴られることなく勤務を終えた

次の日、僕は風邪を引いてしまい、[T]を二日間休んでしまった

二日ぶりに出勤した12月24日


クリスマスイヴ


望む形はケーキを食べながらシャンパンを開け、プレゼントを交換して・・

迎えた現実が正反対であることに苛立ちながらも、目を背けることは出来ない


《逃げたら負け》


とにかく僕は佐山さんに負けたくなかった

4階で停まるエレベーター

いつもの光景

エレベーターを出て[T]に向かう途中、非常階段の踊り場のスペースにサングラスをかけたアウトローな雰囲気の男がいた

なんだアイツは?

お客様という雰囲気ではなかった

後に僕の理解者となってくれる井下君との出会いは

あまりいい形ではなかった

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僕が風俗店のオーナーになるまでの日々 ©著者:cvbrkk

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