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3章:懐かしい者 (5/12)

工場の周りにもパトカーが並んでいて
おまけに警察官が囲っている。

…なりふり構えるかっての!

パトカーを踏み台に一気に飛んだ。
良い具合に工場の目前まで辿り着けた。

後ろからは無数の警察官の気配。
…迷いは無かった。
俺はそのまま工場に走り込んだ。


海「ノブさーんっ!!!」


木材の焦げた臭い。
何かが崩れ落ちる音。
息苦しい程の熱気。
…燃え盛る真っ赤な炎。


そこで感じる何もかもが今居る場所を
危険だと思い知らせてくる。

どうやって…どうやって探せば…


男「無茶しやがって…」


海「!?ノブさん…?」


男「違ェよ。もう忘れたのか?海」


海「………………親…父…」


紛れも無く、俺の父親だった。
二度と帰らなくなった四年前と同じ、
暗い茶髪に紺色のスーツ。

さっき、自転車を引きずり出したのも
この筋肉質な腕だった。


海「…なんで…なんで居るんだよ…」


父「とにかくノブさん探すのが先だ」


炎と、熱と、臭いに眩暈がする。
死んだはずの父は、今目の前に居る。
逞しい背中はあの頃と変わっていない。

煙のせいか…涙で視界が良く見えなかった。
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あたたかいもの ©著者:陽

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