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4章:―狂気― (2/9)

12月○日

俺は座っていた。

身体中が痛い。

目が見えない。

手も足も動かない。

口も開かない。

かろうじて息はできる。

ここはどこだ?

なんでこんなところにいるんだ?

今は何日だ?

記憶を辿ってみる。


ああ‥そうか、あの女に‥


何かで縛られているのだろうか、全く自由がきかない。

??「あーwやっと起きたしーw」

ベリベリベリッ‥

すごい勢いで、目に張ってあったテープがはがされた。

川島「っつ‥」

視界が自由になった俺は、目の前の光景を見て、愕然とした。

明かりといえば裸電球のみの、薄暗い、かなり広い部屋だった。

窓という窓には黒いビニールのようなものが張ってあり、テープでとめられていた。

部屋の片隅には、大きな水槽が置いてあり、中に何かが入っているが、ここからだと暗くて見えない。

無造作に置かれている透明なゴミ袋には、俺が1度は目にしたことがある、俺の家から出たゴミばかりが入っていた。

生ゴミも混じっているのだろうか、かなりの悪臭を放っている。

机に置かれている、一定の周期で高い機械
音をたてている複雑な機械。

それは5台のモニターに繋がっていて、1台は黒い画面、1台は俺がかなり前に捨てた例のメイドのAVが写っていて、残りの3台は、見覚えのある、俺がいつも使っていたトイレや、リビング、俺の部屋が写っていた。

リビングでは、母が楽しそうに、電話で話している。

そして、その声も、かすかではあるが、俺のところまで聞こえて来た。

1台の黒い画面は、例の、風呂場にあって、俺が見つけたカメラのものだろう。

ということは、他に小型カメラがあり、盗聴器もあったということだ。

そして、俺の身体は、ガムテープのようなもので、丁寧に、念入りに、椅子にはりつけられている。
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狂気 ©著者:けん(^ω^)

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