あなたの苦しみは、何でしょうか。

「目に見える物、耳に聞こえる物、手で触れることが出来る物を書く。」

（ヘミングウェイ短編集、新潮文庫）

と言いますが、こうも割り切れる人は少ないのではないでしょうか。

故に、繊細で感じやすい方は、すぐに苦しみを受けてしまうのです。

しかも、それが少数派であると言うだけで、簡単に、あまりにも幼稚に否定されてしまうのです。

また、苦しみは、それ自体がない方が幸福なのでしょうか。

例えば、精神の苦しみは、努力のモチベーションとなります。

「苦しみこそが世界の背骨である。」

（ロマン・ロラン、“ジャン・クリストフ”岩波書店）

の通りです。

では、幸福とは、何でしょう。


男の場合は、わりと、はっきり言われていることがあります。

「そもそも幸福とは何か、と言えば、それは、満ち足りた誇りのことである。」

（ミハイル・レルモントフ、“現代の英雄”岩波書店）
です。
すなわち、ロシア悪魔派の作家である、レルモントフは、

「自分が世界中で誰よりも一番優秀で、強力だと認めることが出来れば、私は幸福に違いない。」

と、この本

（現代の英雄）

の主人公、ペチョーリンに言わせています。

では、死ぬ気で勉強し、肉体を鍛え抜いたら、必ず、ふさわしい評価が受けられるのでしょうか。

自分自身が、自分に対して、高い評価を与えたところで、何もならないことは、読者の皆様が、よくご存知の通りです。

問題は、自己評価よりも、世の中の評価が、低いことにあり、これこそが、あなたの苦しみではないでしょうか。